No.95

＊＊＊暑さを乗り切る服の色選び＊＊＊

インスタグラムでは見た目にも、お召しになっても爽やかなライトベージュのスリーピースをご覧いただきました。

ライトなお色は暑い時期には涼やかな印象を与えるだけでなく、お顔の色を明るく見せ、上品な雰囲気をつくります。

実際、色による表面温度は白っぽい色と黒では約15度の違いがあるといわれています。

色と温度の事を調べておりますと、面白い実験結果がでておりましたので少しお話させてください。

ここに同一素材・デザインの９色（赤・白・青・濃緑・灰・黒・紫・黄・黄緑）のポロシャツがあります。
同条件で、日中屋外に置いておくと一番、表面温度が高温になったのはどの色でしょうか。

「黒が一番でしょう！」と私は思いましたが、実は濃緑だったのです。
濃緑はカンパネラのコンセプトカラーです。暑さに弱い私はびっくりでございました。

実験によると表面温度は高い順に
濃緑、黒、青、黄緑、紫、赤、灰、黄、白
という結果だったそうです。

これは日本の地質学者で土木工学者、国立環境研究所社会システム領域主幹研究員の一ノ瀬 俊明氏の「最小スケール気候変動適応策としての被服色彩選択効果について」という論文にありました。面白いですよね！
ご興味のある方は是非ごらんください。

ともあれ暑い時期の服装は、できるだけ黒で統一するのではなくどこか一部分（シャツや靴など）に白やグレー系を取り入れるほうが、地面からくる熱や光の反射を抑えられるため表面温度の上昇が抑えられるということです。

特に屋外での仕事が多い場合は、こういった実験結果を考慮し、灰、黄、白を意識して取り入れられると熱中対策になるというのです。

基本的にはオーダーはお好きなお色をお聞きして進めてまいりますが
残暑厳しい時期のお仕立てあがりにはライト系のお色をおススメすることも少なくありません。こういった論文を読みますと、はっきりと根拠もわかり安心してご提案できるのでございます。

またお仕事柄、ダークスーツが必須な方にはできるだけ通気性のよい生地やクール機能を織り込んだ生地をおススメしております。

ネットリテラシーは難しいところもありますが、こうした論文が手軽に読めるのも面白いなぁと思うTAROO．でございます。

しかし、青より赤のほうが、表面温度が高くなるのもちょっとした驚きですね。

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