No.129
***デニムのへぇ~***
オーダースーツ屋といいますと
ウールやカシミア、シルク、リネンの生地で
お仕立てすることが多いのですが、
色や柄、風合いが面白いなと思うと素材に関係なく
スーツにお仕立てしてみたくなるのでございます。
お客様がしきりに
「ストレッチの効くものがいいなぁ。」と言われましてからは
いろいろな厚さや特性を持つものでスーツをつくってみました。
試行錯誤し、納得いくものに出会い
メリット、デメリットをご説明したうえで
おススメをしております。
さて今回のデニムも実験(?)の末
カンパネラの定番となるデニムを9オンスと12オンスをご用意しました。
お客様の要望で
もっとヘビーウェイトのものや
昔ながらの織り方のものをご用意することもありますが
カンパネラの定番も中々好評で、
「ガシガシ使えるし、馴染んだら馴染んだでいい感じだね。
使える場面も今は結構広いしね。」と言っていただけます。
もちろんこのお客様はベテランダンディで
デニムを使える場面、控えたほうがいい場面をうまく使い分けていらっしゃるので
この生地を十分楽しんでいただけるようです!
話が大きく逸れてしまいましたが
ジーンズ好きのお客様に
デニム生地の事をいろいろお話いただき私も興味をもちましたので
いろいろ調べてみました。
デニムの語源はフランス語の
「serge de Nîmes セルジュ・ドゥ・ニーム」で
フランス南部のニーム地方の綾織りものを意味します。
ウールもそうですが、布地はしばしば産地の名で呼ぶ習慣があり
serge de Nîmes → denimとなったといわれます。
このデニム生地がイタリアのジェノバから各国に輸出され
ジェノバのフランス語Gêne(ジェーヌ)が
アメリカに渡りjean(ジーン)と呼ばれるようになりました。
このジェノバから来た生地で頑丈なパンツを作り
それがジーン(jean)の複数形ジーンズ(jeans)になったというわけです。
ですから、デニムの発祥はフランスかイタリアということですが、
2010年頃に発見された無名の北イタリアの画家の絵10点ほどで
デニムを身に着けた人々が描かれており
イタリア発祥なのでは?と言われております。
ここ数年、山田五郎さんのおかげで絵にも興味をもち始めたので
何だかわくわくしちゃいましたよ。
という事でデニムのへぇ~でした。