No.39
***刺激的なベスト***
癒しのオーダースーツ屋カンパネラのTAROO.でございます。
本日も刺激的なベストをご紹介いたします。
いつも伝統は大切にしながら、新しい風を感じていたい-それを洋服で体現したいと思っております。そんな私にいつも楽しい難題をくださるお客様がいらっしゃいます。
今回は「こんなベストをつくりたい。」とお客様が画像を送ってくださいました。
ベストはドレス寄りで全体のコーディネイトとしてはカジュアル。ベストがかなり主張しながらスマートという、なかなか難しいお題をいただきました。
何点かご提案しますと、迷われながらも最初のイメージに近いものを選ばれました。かなり存在感のある生地で、刺激的な主張とスマートさという共存という意味ではぴったりの生地です。
実は、いつもお仕立て上がりに合わせて洋服をコーディネイトしてご来店くださいます。今回は「どんな感じで来られるのかな?」と私もワクワクいたします。
ベストをお召しいただくと、
「やられた!ミラノですれ違ったダンディと同じ空気感。」そう思ってしまうのでございます。
身体にフィットしたシンプルな白いシャツと上品なライトインディゴのスリムパンツ、
「う~ん。足し引きどころか乗数なおしゃれ感です!」
写真ではONコーディネイトにしてみました。
ON&OFFで長く愛していただけますように!
さて、「ジレ」と「ベスト」の豆知識をお話させてください。
GALLERYの№38でベストの呼び名は各国で違うともうしあげました。
細かく見ていきますと、ジレ「GILET」はフランス語で「中衣」という意味でジャケットなどを羽織るのが前提のインナーと言われています。そのため、正面は上質の生地を使い、裏側は軽めの生地を使うことが多くなっています。ざっくり言いますと、正面と背中の生地が異なるものを「ジレ」ということが多いようです。
以前は「ジレ」はフォーマルな装いでという考えが主流でしたが、現在ではカジュアルシーンでもうまく活用されています。
一方ベストは、インナーとしても、アウターとしても着ることがあるために背中側も正面と同じ生地を使うなどして、どこから見られても良いようにしているのが特徴です。
しかし、実際「ジレ」も「ベスト」もインナーとしてもアウターとしてもつかわれることは増えており、日本でもハッキリとした使い分けはされていないような気がいたします。
カジュアルに「ジレ」「ベスト」を使う場合にはカットソーやタートルネックなどに合わせると、さりげないおしゃれ感がでると思います。
また「ウエストコート」は、ベストよりも正装感の強い物になり、GALLERY№38で申し上げたように、サスペンダーをお使いになるのがいいと思います。