No.61
***ヴィンテージ生地 スーツ③***
癒しのオーダースーツ屋カンパネラのTAROO.でございます。
インスタグラムではフランスのヴィンテージ生地でお仕立てしたスーツのエレガントさをお話しさせていただきました。
一般的に
英国スーツは打ち込みがしっかりした耐久性のある生地をつかい、立体的な重厚感のあるスタイル。
イタリアスーツはやわらかく光沢のある生地をつかい、身体の線に沿ったエレガントなスタイルと言われています。
ではフランススーツは?
フランスは、地理的にイギリスとイタリアという代表的なスーツ生産国に挟まれ、この2国の影響を受けながら独自のスーツスタイルを生み出しました。
大きくな特徴は3つ挙げられます。
① 「フィッシュマウス」という独特な襟の形です。
上衿が比較的小さく丸みを帯びており、下襟が水平に切られていおり、この切れ目が魚の口のように見えることから「フィッシュマウス」と呼ばれます。
このデザインは、中性的で優美な印象を与えます。
② 「ドロップショルダー」という肩の形状。
肩のラインが落ちたデザインで、曲線が強調されエレガントな印象になります。
③ 「ウエスト位置の高さ」です。
ウエストシェープの位置がやや高いことにより、足が長くスタイルがよく見えます。
この3つに言えることは、
重厚なスーツスタイルのイギリスと色気のあるスーツスタイルのイタリアにはさまれながらも、
フランスは、ファッション大国ならではの「エレガンススーツ」を生み出したということです。
「その人の最大限の美しさを影でささえる」というのがフランス流スーツロジックなのでしょう。
スーツもこういった知識があれば、
「あの人のスーツはイギリススタイルっぽいな。」とか
「自分の好みはイタリアンスタイルかな?」と楽しくなってまいります。