2021.09.04オーダースーツの歴史
ラウンジジャケット②
礼装は大きく分けて3種類あります。モーニングコート・フロックコート・テールコート。
これらは、順に朝用・昼用・夜用となります。
モーニングコートは朝の散歩をしやすくするために上着の前裾をカットしました。
フロックコートはダブルブレストで黒が正式です。
テールコートは乗馬後そのまま宮廷に上がれるようにつくられたそうです。
英国人はお茶に始まり、お茶に終わると言うように一日に何度も紅茶を飲んでいましたが、そのたびに着替えていたそうです。仕立て屋が多い訳ですね。
そんな中でラウンジルームでくつろぎ着として着られていたラウンジジャケットは、スコットランドのワーキングウェアとして着られていたツィードジャケット(ツィルジャケット)がもとになったと言われています。ですから最初のラウンジジャケットはその名残を残しており、作りが少し雑だったそうです。
しかし、このラウンジジャケットは着てみるとゆったりとしていて。しっぽがないので動きやすいと、どんどん広まっていきます。19世紀後半になると、ついにラウンジルームだけでなく外出にも使われるようになってきます。今まで、燕尾服(テールコート)だったのですから、その開放感は容易に想像できますね。
そして更なる変化が。
今まで別々の生地で作っていたコート(上着)、ベスト、トラウザーズ(長ズボン)を、同じ生地で作るようになりました。まさにこの瞬間が現代のスーツのはじまりかもしれませんね。